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分電盤工事って具体的に何をするの?

分電盤工事の相場を調べてみると、5万円台で済む場合もあれば数十万円近くかかるケースもあり、意外と高額で価格に幅がある感じた方も多いはずです。「箱とブレーカーを交換するだけで、どうしてこんなに費用に差があるの?」と疑問に思った方も少なくありません。
実は、分電盤工事は単なる“部品交換”ではなく、家全体の電気の安全性を左右する基幹設備のメンテナンスであり、内部では多くの専門的作業が行われています。
配線の状態確認、回路の再構成、漏電遮断器の設置、安全基準への適合確認など、細かい工程と高い技術が必要となるため、相場にも幅が生まれるのです。
では、具体的に分電盤工事とはどのような作業をしているのでしょうか?
ここからは、工事の中身を専門的な視点でわかりやすく解説していきます。
1.事前調査:負荷計算と回路容量の確認
分電盤工事の第一段階は、建物に流れる電流量・使用機器の種類・増設予定機器を含めた負荷計算(需要電力の算出)です。
実施する主な調査
- ブレーカー容量の適合性(例:30A→40Aの増設が適切か)
- 使用機器の最大電流値(IH・エアコンなど)
- 回路ごとの負荷分散(過負荷回路の有無)
- 分電盤の経年劣化具合
- 漏電遮断器(ELB)の感度・動作確認
2.分電盤の仕様決定:保護装置の選定
分電盤には、主に以下の装置を組み込みます。
- 主幹ブレーカー(サービスブレーカー/漏電ブレーカー)
- 分岐ブレーカー(過電流保護)
- 漏電遮断器(ELB)または分岐用漏電ブレーカー
- サージ保護デバイス(SPD)※雷対策
- スマートメーター連動ユニット(IoT系)※新型分電盤
これらの仕様や保護装置の選定は、電気工事士の経験や感覚で決めているわけではなく、電気設備技術基準・内線規程・JIS(日本産業規格)といった明確な国家基準に基づいて選定されています。
3.既存分電盤の撤去:停電処理と安全確保
分電盤工事は建物全体を停電させて行い、以下の工程で進みます。
- 電力会社の引込線の遮断
- 既存分電盤の取り外し
- 主幹ブレーカー・配線の状態確認
- 老朽化したケーブルの補修・交換
4.新しい分電盤の設置:配線の再構成と増設
次に、新しい分電盤を設置し、回路を再構築します。
主な作業
- 主幹から分岐への母線(バスバー)接続
- 回路ごとの配線の結線処理
- 専用回路の追加(エアコン・IHなど)
- サージ保護デバイスの取り付け
5.電気が安全に流れるかを確認
分電盤工事の最後は動作試験・安全試験です。
主な動作・安心試験項目
- ・絶縁抵抗試験(メガー測定)
- ・漏電遮断器のテストボタンと実動作確認
- ・電圧測定(単相100V/200Vの確認)
- ・回路ごとの通電確認
- ・専用回路の負荷テスト(エアコン・IHなど)
まとめ
分電盤工事は単なる交換作業ではなく、
- ・負荷計算
- ・適切なブレーカー選定
- ・安全な回路構成
- ・回路ごとの通電確認
- ・配線の再構築
- ・動作試験・安全試験
という複数の専門工程を伴います。よって相場にも幅が生まれるのです。
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